議会報告

平成7年度県議会定例会 一般質問

1996/02/27

■地震防災対策について

(1)地震防災対策を進める上での決意について
 平成8年度から神奈川県地震災害対策計画の改定計画をいかに着実かつ重点的に実施していくかが今後の重要な課題であり、また、県民、市町村の期待も、この計画が実行性の高い計画として、いかに厳しい行財政環境にあっても、県政の中でしっかりとした位置づけをしていくかにあると考えるが、知事の地震防災対策を進める上での決意も含め、見解を伺いたい。
 また、地震防災対策は、国や学会においても各種基準の検討が進んでいること、さらにはより実行性の高い計画にしていくためには、計画された諸事業の進捗状況を把握しながら弾力的な対応を図る必要があると思うが、あわせて知事にお尋ねしたい。
(知事答弁要旨)
 私は、知事就任以来、まず当面の緊急課題として地震対策に取り組む、さらには長期的な視点といたしまして、三つの視点を大切にしようという中で、安全と環境ということを申し上げてまいりました。地震防災対策は、長期的に計画的に着実に取り組まなければいけないことは、これからが山場でございまして、いわば平成8年度以降が着実に取り組むための正念場と、このように考えております。
 いずれにいたしましても、この地震防災対策は、当分の間、力を入れていかなければいけないと考えており、むしろこれから先、私は、阪神・淡路大震災の大変な状況の印象が薄れてまいる、風化してまいる、それに伴いまして、私どもも初め、のど元過ぎれば熱さ忘れるというようなことにならないように、また県民の皆様方の全体の地震に取り組む意識につきましても、そういうことのならないように、着実に持続的に取り組んでまいりたいというのが姿勢でございます。

(2)地震防災対策の弾力的対応について
 改定された神奈川県地震災害対策計画では、災害時の応急活動を円滑に実施するため、市町村の役割が強調されている。しかし、一方では、大変多くの行政需要を抱えながら、地震防災対策に緊急かつ重点的に取り組むためには、財政的に大変厳しい状況にあるという苦渋に満ちた声も聞いている。
 そこで、神奈川県の防災力を向上させるためには、こうした市町村の悩みをしっかりと受けとめ、市町村防災対策緊急支援事業を核とした総合的な支援対策を進める必要があると思いますが、知事の考えを伺いたい。あわせて、こうした取り組みを効果的に進めるためには、市町村がそれぞれの地域の置かれた状況、当該団体の防災力の現状などを判断し、市町村が主体的に地震防災対策を進められるよう、県が柔軟で弾力的な対応を図ることが重要であり、さらに、県全体の防災力を向上させるためにも、県域全体のバランスなども考慮しながら、財政力の弱い市町村に対する配慮も必要だと考えるが、知事の見解を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 この防災対策の計画を実行していく上において、計画の弾力的な推進を図る必要がある、こういうご指摘をちょうだいいたしました。全くおっしゃるとおりだろうと思います。
 新しい調査などによって、新しい事実が出てくるかもしれない、そういうことも十分に勘案をしていかなければいけない。市町村の対応等につきましても、市町村が防災計画を見直すということがあれば、またそれに即応した対応を県としても積極的に考える、こういうような考え方で弾力的な対応を図ってまいりたいと思っております。
次が、市町村の防災対策、あるいは置かれた状況を、実情をしっかり受けとめて、総合的な支援対策を進める必要がある、こういうご指摘がございました。
 市町村が大規模な災害への対応を図るには、特に小規模な市町村につきましては、財政面あるいは人的な面等でいろいろ困難な状況にあるということは、私どもも十分承知いたしておりまして、そういう市町村につきましては、市町村が対策を積極的に進められるよう、例えば財政面では、今般ご提案させていただいております市町村地震防災対策緊急支援制度というのを設けさせていただいておりますけれども、これでは特に小さな市町村に対する配慮というのを仕組みの中で考えております。
 緊急支援制度におきましては、県の補助対象といたしまして、例えば、災害時の情報収集・提供体制の拡充のように、機能を明示いたしまして、その機能を具体化するための施設整備を市町村が主体的に立案していただけるように、制度の構造そのものを非常にやわらかいものといたしまして、運用に当たっても、市町村の立場をできるだけ取り入れて運用できるようにというようなことを考えております。また、小規模団体につきましては、補助の限度額の設定、あるいは補助額の算定方式等につきまして、それぞれ特例の数値を定めまして、格段の金額的な配慮もできるように、こういうような形を整えているところでございます。

■クリーンエネルギーの活用について

(1)クリーンエネルギーの活用に係る取組状況について
 現在のところ、我が国を初め先進国の多くは、一次エネルギーの大部分を石油石炭などの化石燃料に依存しており、化石燃料の燃焼等により発生する二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物など、地域的な大気汚染のみならず、地球の温暖化、酸性雨、森林の破壊など、さまざまな地球環境問題を発生させている。国では、平成4年から太陽光発電などについての導入補助制度を創設するなど、円滑に新エネルギーを導入するための法制度の整備も進み、太陽光発電を取り巻く環境が整いつつある。このような中で、本県としても、国と連動し、この問題に積極的に取り組むべきと考えている。そこで、本県における太陽光発電などのクリーンエネルギーの活用に関する今までの取組状況について伺いたい。
(知事答弁要旨)
 省エネルギーの推進とともに、クリーンエネルギーの利用、活用ということにつきましても、県として積極的に取り組む必要があるというふうに考えております。
 これまでも神奈川県は、そういう観点から、例えば平成5年には、エネルギー利用に関する指針、これは、かながわエネルギー利用基本プランと称しておりますけれども、そういう指針をつくっております。また、平成7年には、新エネルギーの導入事例集というのを作成いたしまして、県の機関でございますとか、県内の市町村等に配布をいたしまして、新エネルギーの導入や、効率的なエネルギー利用のための普及啓発を図ってきたところであります。
 こうした取組に加えまして、県みずからも、例えば産業技術総合研究所や総合防災センターなどには太陽光発電システムを導入しておる、あるいは一部の道路交通標識や県立高校の時計等にも太陽光を利用しておるということで、やや実験的な例はいろいろと試みをしてきておるわけでございます。また、太陽光の利用とともに、太陽熱を利用しようということで、がんセンターを初めとする県立病院等で太陽熱を利用した給湯システムを導入する、そういう試みもやってきてまいっております。

(2)クリーンエネルギーの活用事業を進めるに当たっての基本姿勢と将来方向について
 本県は、山あり、海あり、川あり、自然に恵まれた県域であり、一方では、820万県民が生活を営む大都市でもある。今求められることは、人と自然に優しい県土、県民環境の創出であると考える。幸い本県は、台風等の自然災害も少なく、年間の日照量も相当に期待できるという地理的条件にも恵まれており、予算計上されている太陽光、風力など、自然に優しいクリーンエネルギーを活用するための調査費や事業費の成果に大いに期待をしているところである。そこで、改めて、クリーンエネルギー活用事業を進めるに当たっての基本姿勢とその将来方向について、所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 状況を踏まえまして、この段階をより一歩進めるということが非常に大切なことであろうというふうに私、思いまして、平成8年度以降、これの普及促進、さらには県みずからがより率先して、県有施設でございますとか公共事業等におきまして、クリーンエネルギーの積極的な導入を図るということを行ってまいりたいと、こんな気持ちでおります。そういうことによりまして、県全体にクリーンエネルギーに対する意識を高めていただく、そして、現実に取り入れていただくものについては、より積極的になっていただければと、かように考えております。
 平成8年度におきましては、県の県立公園に一部太陽光を利用した照明装置等を試行的に設置してみよう、あるいは個別の施設の導入にとどまっておりましたクリーンエネルギーの活用をより多面的に展開をする、例えば、今例として申しましたのは、建物の屋上に施設をつけていくわけでございますけれども、もう少し広い面、公園の一部でございますとか、あるいは利用できるより広い空間にこういったものを面的に整備をするというようなことも考えられないかというようなことで勉強をし、さらにその勉強の成果をできるところから事業化に取り入れていきたい、こういう年に平成8年度はいたしたい、かように考えております。

■川崎縦貫高速鉄道について

(1)鉄道の役割について
 日々のショッピングや勤務地において、市民は市内に、県民は県内において活動することがおのおのの地域経済発展促進を促し、地元の商店街や中小企業の振興に大きく寄与し、ひいては、本県経済を活性化し、市民県民の繁栄につながる。さらに、市民の通学・通勤の利便性はもとより、道路交通の渋滞を解消し、円滑な都市活動を生み出すという環境にやさしい輸送システムである。21世紀を目指して、環境問題としても鉄道網の整備は、今、時代の要請である。
 そこで、県民の利便性の向上や、交通渋滞の解消など、鉄道の持つ役割について、どのように認識されているのか、環境問題に精通した知事の所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 鉄道というものは基本的に大量の交通輸送手段だというふうに位置づけられておりまして、もちろんそれに加えまして、時間が正確でございますとか、またエネルギー使用という面から見ましても、車に比較いたしますれば、エネルギーの使用効率がいい、また車に比較いたしますると、環境に対する影響もクリーンである、さまざまな利点がございます。鉄道の整備が進みますれば、それの利用ということによりまして、その地域の交通の利便性が飛躍的に向上いたしますし、また周辺道路の混雑の緩和ということを考えますと、それがまた直接都市環境の改善ということにもつながるというわけで、鉄道は、環境面におきましても大変利点の多い交通手段である、こういうふうに思っております。

(2)川崎縦貫高速鉄道の位置づけ及び取組について
 改めて申し上げますが、宮前区、麻生区を中心とする川崎市北部の市民にとって、この路線が整備されることにより、その利便性ははかり知れないものがあります。さらには、内陸丘陵部の市街地と川崎都心部との連動、将来的には、産業空洞化に伴う臨海部との結びつきの中で、市域の一体性を高め、産業の活性化や先端技術、情報通信等の新産業の育成にと、多岐にわたる効果をもたらすものと考えます。
 そこで、折まさに21世紀を展望した新総合計画を策定しようとする中、この川崎縦貫高速鉄道をどのように位置づけ、取り組もうとしているのか。また、早期実現に向けては、県の積極的な支援が欠かせないものと考えますが、知事の考えを伺いたい。
(知事答弁要旨)
 私ども県といたしましても、広域的な観点から総合計画にどういうふうな形で位置づけることが適当か、あるいはまた、必要な支援につきまして鋭意検討を重ねて、ご期待にどういう形でこたえられるかということにより踏み込んだ取り組みをしてまいりたい、かように考えているところでございます。

【自席発言】
 時間の関係から、自席にての発言をまずお許しをいただきたいと思います。また、知事におかれまして、ご丁寧にご答弁いただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 ここで少しく要望をさせていただきたいと思っておりますけれども、先ほどの地震防災対策、こちらにつきましても、それぞれ市町村におきまして、市町村ならではの状況があろうかと思います。今後の取組の中で、さらに市町村との連携を深めながら、また、弾力的な対応の中で、確実な、確かな防災体制が取り組めますように、知事のより積極的な支援体制を心から要望させていただくものであります。
 さらには、地震後、災害後の復興支援対策につきましても、今後検討の余地がるるあろうかと思いますが、これからの状況の中で、知事には、どうぞこうした点につきましてもより一層の支援を深めていただき、県民の不安の解消に向けましてご努力をいただきますことを要望させていただきたいと思います。
 そして、今、私たちがこうしてすばらしい神奈川の中で生活ができるということは、これはこれまでの先人の遺徳であり、また先輩皆様方のご努力のおかげかと思います。あしたから、将来に向けましては、今を生きる私たちが努力をしてこそ、初めて確かな将来が導けるものではないかと思います。そういった意味合いの中からも、どうぞ岡崎知事におかれましては、これまでのすばらしいご経験を生かしていただきながら、神奈川県職員の皆様方とともに、より一層のご活躍をお願いと期待をさせていただき、県民のための確かな神奈川の発展に向けてご努力をいただきたいと思います。
 また、私も、同僚議員の連なる者の一人といたしまして、また先輩議員の端に連なる者の一人といたしまして、微力ながら努力をさせていただきたいと思います。
 ご清聴に心から感謝を申し上げまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。