議会報告

平成11年度県議会定例会 一般質問

1999/06/25

■川崎縦貫高速鉄道について
 川崎縦貫高速鉄道線の整備については、川崎市当局のご努力に負うところが大きいことは自明であるが、延長22キロにもなる長大な地下鉄新線計画であり、この構想について具体的な検討を進め、実現にこぎつけるには、このような広域的な整備効果を踏まえた県の支援が不可欠であると考える。
 そこで、今まさに審議が進められている運輸政策審議会の本路線答申に向けた県の取組と、その後の支援について知事の所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 運輸政策審議会への本路線の答申に向けた県の取り組みでございます。東京圏の次期鉄道整備計画につきましては、現在運輸政策審議会の下部機構でございます地域交通部会におきまして、現在精力的に審議が進められておりまして、タイムスケジュールとしては、年内には運輸政策審議会としての答申としてまとめられるようなテンポで動いていくところと聞いております。この政策審議会に対しまして、県は川崎市とともにいろいろな形で働きかけをいたしておりまして、昨年12月にもこの川崎縦貫高速鉄道が答申の中できちっと位置づけられるようにということで要望をいたしまして、その必要性の説明をいたしたところでございます。
 答申に位置づけられますと、その後の活動でございますが、まず川崎を中心に事業化に向けた取組を進めなければなりません。既存の鉄道事業者との調整、資金や収支計画を含む事業化計画の練り上げということが次のステップの大きな課題になるわけでございまして、それを経まして運輸大臣へ鉄道事業の免許申請を行う、こういうスケジュールが考えられるわけでございます。今後、関係者間でさまざまな調整が進められまして、事業化計画の形が明らかになった段階で、県は広域的な視点から所要の支援のあり方について本格的に検討をする段階に入る、かように思っております。
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■県立公園の整備について

(1)整備水準の引き上げについて
急速な都市化や人口の急増が進行し、特に高度経済成長期における開発により、市街地を中心に急激な緑の減少を招いてきた。この都市化が進行する中で、県民も身近な緑に対する関心をますます高っている。私たちは、子や孫のためにも緑を守り育てていかなくてはならないと考える。
 神奈川県における都市公園、すなわち県立公園の整備状況を振り返ると、昭和32年に開園した塚山公園をはじめとして、この約40年の間に20公園、面積にして合計約440ヘクタールの県立公園が提供されました。
 しかし全国レベルでの神奈川県の都市公園の整備水準は、平成10年3月末の実績で、面積の合計では、全国47都道府県中第8位となっておりますが、これを1人当たりの面積にかえてみますと4平方メートルで第46位であり、全国平均7.5平方メートルと比較しても極めて低い水準となっており、最も低い東京都の3.9平方メートルと競っている状況である。
 そこで、1人当たりの都市公園の面積は、その地域の環境、住みやすさといったものの重要な指標と考えるが、今後この都市公園の整備水準を全国水準の中で、どのくらいまで引き上げていかれる考えなのか、まず伺いたい。
(知事答弁要旨)
 数字から見ますと、本県は大変低い水準にあるわけでございますが、これは全国的に共通した理由がございまして、人口急増の大都市圏の自治体はみんな最下位近くにいる、固まっているわけでございます。そういう現実の事情はあるわけでございますけれども、しかしお話ございましたように、人口が多ければ多いほど都市公園のニーズも高いのではないか、こういうことも言えるわけでございますので、大変そういう地域は地価も高うございまして、取り組むにはなかなか大変なところでございますけれども、私どもとしては、このメルクマールも大変重要な指標として今までも努力をしてまいりましたし、これからも努力をしていかなければと思っております。
ちなみに申し上げますと、かながわ新総合計画21では1人当たりの公園面積を2005年までに現在の全国平均、これは約7平方メートル、実態が4平方メートルでございますから、その差を縮めるべく、7平方メートルというのを当面の目標値として整備をしていきたい、こんな考え方で取り組んでいるわけでございます。この目標達成のためには県だけではなくて、市町村にも一緒に努力をしてもらわなければいけないなと、こんなふうに思っているところでございます。

(2)人口分布を踏まえた均衡ある公園整備について
県立公園の設置についてはもちろん地域ごとの事情もあり、ある程度の偏りは認めざるを得ないが、基本的には県域をくまなくカバーする必要があると考える。県立公園の設置場所を地図等で見ると、県内一円に広がっているが、県内の人口分布を勘案した場合には、やはり緑の豊かな相模川以西の地域に多く、東側は比較的少ない。とりわけ都市化の進んだ人口の多い川崎・横浜地域には少ないといった印象を受けざるを得ない。
 そこで、県立公園の設置に当たっては場所の選定がまずあり、その方針というものがあると考るが、どのような方針に基づいて選定をされてきたのか、伺いたい。
 また、人口分布の状況を踏まえた均衡ある公園整備に向けた対応への取り組みが必要と考えるが、知事の所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 県立公園に対する基本的な選定方針の一つといたしまして、やはり県は県の立場としてより広域的な観点から、主として一つの市町村の区域を越えるような広域の利用に供することを目的とする都市公園、そういうものの整備を重点的、中心的に担うというのが基本的な姿勢として望ましいのであろうということを据えまして、その基本方針の中で県土全体の中での均衡ある配置ということに配慮をしてきたというのが基本的な考え方であるように思います。
 そういう考え方に基づきまして、面積的には相模川以西につきましては50ヘクタール以上、都市化の進んだ県東部につきまして、相模川以東につきましては30ヘクタール以上の規模というのを一つのメルクマールとして取り組んできた、こういう経緯がございます。
 ただ、お話がございましたように、市町村の公園緑地の配置状況というのと絡み合わせながら、県立の都市公園というのを考えるという視点も大切でございますので、具体的に考えてまいりますときには、いろいろな要素を学識経験者の意見も、参考にしながら検討をしてきているというのがこれまでの県のスタンスでございます。神奈川県公園等審査会というようなものもあるわけでございまして、こういう方々の意見も、審査会の意見もお聞きしながらというのが現実の作業の運びとなっております。

(3)新たな課題への取組について
本県でも都市化の進展、市街地の拡大に伴い、多くの樹林地、水辺等の緑とオープンスペースが失われてきた結果、現在、ヒートアイランド現象が顕在化してきたり、季節感を喪失し、生物の生息・生育地も減少するなどの問題を生じている。公園行政も、将来展望を踏まえた上で、県民が豊かさを真に実感できる緑豊かな快適な生活環境の形成を目指し、総合的、体系的な施策を推進していかなければならない。
 21世紀はより一層の都市化が進んだ成熟した市民社会の時代になるだろうと言われております。都市公園へのニーズもますます多様化すると思われ、さまざまな面で転換期を迎えている時期でもあり、今後の方向を検討すべき時代に来ていると考える。本県では、このような自然と共生した都市づくりに向け、環境、福祉など、新たな時代の潮流を受けとめた内容、いわゆる質の問題にも力を入れ、魅力ある個性的で身近な公園整備を積極的に進める時代になったと思う。
 そこで、将来の都市部における県立公園の設置方針のあり方を含め、県立公園の整備に関する新たな課題にどのように取り組まれていくのか、伺いたい。
(知事答弁要旨)
 全体的に、これから特に都市部への配慮という観点を入れた形での広域公園の設置のあり方というのを中長期的にどう考えていくかというのは大きな課題であると思っております。ご案内のとおり、都市公園は県立の公園以外にも市町でも行えるわけでございます。そういった役割分担ということも検討しながら、中長期的には都市部への配慮をさらにどう考えていけばいいのかというのもまた大きな課題でございますけれども、当面のところは既に都市公園として位置づけて整備を進めていこうという箇所につきまして、新総合計画に織り込んでございますので、それを現在のような財政事情の中ではより重点的、優先的にどうやって絞りながら取り組んでいかなければならないのかというのが当面の課題になっておりますので、そういうような観点も目先の課題としてあるわけでございますので、その両々相まった勉強をしていかなければいけないなというふうに思っております。

■福祉関連産業について

(1)新規参入する企業家への支援について
 世界にも例を見ない急激な速さで進展する高齢社会の到来に向けて、かながわ新総合計画21において「健やかな福祉社会をめざして」を政策の基本方向と位置づけ、民間福祉サービス振興のための環境づくり等に取り組んでいることは承知している。また、産業面においても、かながわ産業活性化計画において「新しい産業の創出環境の整備」を第1の課題として掲げ、産業構造、社会構造の変化が進む中で、福祉・環境・生活文化など県民ニーズに対応した産業分野を対象に、生活を豊かにする産業の振興に力を入れているものと受けとめている。
 本県の雇用情勢は極めて厳しい状況下にあり、さらに介護保険制度の導入による福祉サービスに対する県民ニーズの多様化等を踏まえますと、雇用創出の促進及び県民生活の向上といった観点から、在宅福祉サービスや福祉機器、住宅関連などの福祉関連産業を、今後の本県産業を牽引し得る新しい産業分野として位置づけて、一層の産業振興施策を展開していくことが本県にとってますます重要な課題になってくるのではないかと考えます。
 そこで、こうした福祉関連産業分野におきまして、起業家が新たにビジネスを起こし、事業を成長させていくためには金融面、技術面など、起業家のニーズに応じた幅広い支援を行うことが必要と思われますが、県としてどのような支援を講じていこうとしているのか、所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 まさに事業を起こして進んでいく過程、過程で特にどういうことを考えて用意をしていけばいいのかというような考え方の中から、各段階、段階でいろいろなことを考えております。新たに事業を起こす際のアイデアの発想段階から、ビジネスプランの作成あるいは事業の実現可能性の検討あるいは経営ノウハウの習得、こういうようなことについては経営アカデミーあるいはコンサルティング事業あるいはベンチャー企業成長支援事業、いろいろ細かい形での事業支援のスタイルを用意をしてあるわけでございます。さらに、事業をさてやろうというときには、創業支援融資やスタートアップ資金というような金融面での事業立ち上げのための資金準備の制度も用意をしておりますし、さらにはキャピタル事業による事業拡大のための資金調達、こういう成長の段階に応じた一貫的な仕組みを準備させていただいている、大いに利用をしていただこうというふうなことで、それの普及にも努めているところでございます。
 このほか、起業家人材育成に向けての実践的な指導を行いますニュービジネスインキュベート事業、投資家やビジネスパートナーとの出会いの場を提供するかながわビジネスオーディション事業など、いろいろな工夫を凝らしてやっているところでございまして、こういうことを利用していただいて、特に福祉を初めとする、あるいは環境等と生活に密着した分野での新しいお仕事がどんどんふえてくることを大いに期待をいたしているところでございます。

(2)福祉サービスの質の確保について
 このような福祉分野への民間企業の参入については、例えば市町村が委託する高齢者在宅福祉においては、従来からホームヘルプサービスや訪問入浴サービス、配食サービスについて認められてきており、さらに、平成9年度からはデイサービス、ショートステイサービスについても参入できるようになった。これにより、国が示したガイドラインを満たせば、事業の実施主体である市町村の委託を受けることにより、在宅サービスの主なものはすべて民間事業者が提供することが可能となる。
 私としては、今後民間サービス事業者など多様な事業主体が参入してくることにより、利用者の幅広い需要に対して、柔軟で迅速な対応ができるようになることは大変好ましいことと考えておりますが、一方で、利用者一人一人に対し心のこもった温かいサービスが提供される、すなわち福祉の心を備えたサービスが保たれることに配慮していくことも決して忘れてはならない大変重要な課題であると考えている。
 そこで、今後福祉分野での制度の改革が進み、民間サービス事業者など多様な事業主体が参入してくる中で、利用者の立場に立った福祉サービスの質の確保について、基本的にどのように考えているのか、知事の所見を伺いたい。
(知事答弁要旨)
 事業者の活動に対して、利用者がしっかりした目を持って選定をする、選択をする、あるいはチェックをするということもまた大切であろうかと思います。
 そのためには、利用者に対してきちんとしたサービス事業者に関する情報が提供されなければならない、あるいはまたクレームをつけよう、苦情があった場合に、それをきっちりと対応するような仕組みもできていなければいけない、そういう点につきましては、市町村といろいろと今お話をしながら、どういう形で対応すればいいのかということの検討を深めているというようなこともやっているわけでございます。
 国全体におきましても、社会福祉事業の内容等あるいは社会福祉法人のあり方全体につきまして、社会福祉の基礎構造の改革ということが検討されておりまして、その中では利用者の権利擁護であるとか、サービスの質の評価のあり方あるいは施設運営に関する情報の開示など、そういう点について今活発な議論が交わされておりますので、この議論の成果が今後どういう形で現実に活用されるようになるのかということは私どもも大いに注視をいたしておるというような段階でございます。

【自席発言】
 公園の設置につきましてでありますけれども、これまで県立公園の設置につきまして大きなご努力をいただいてまいりましたことは十分理解をさせていただくところでありますけれども、これからの時代はちょうど県は2009年に人口もピークを迎えようと、こういったところまで来ております。これまで面積要件等々を考えますと、どうしても緑のあるところの場所に公園を設置をしてと、こういう方向性になるのかなと思っておりますけれども、成熟社会を迎えるに当たりましては、やはり県立公園、その効果、効用を県民の方に身近に味わっていただく、身近に享受をしていただく、こういう観点に立ってみますと、より身近な、また人口が集中する都市の中に設置をするということも一つ大切な考え方ではないかと思います。
 なかなか土地の確保ということが困難であることは理解をさせていただいておりますけれども、単独の市町村の中にはまだまだそういった土地の部分――例えばその市町村と隣接する土地はなかなか単独では利用しがたいという場所もございます。そういった多くの市町村にまたがる土地を確保させていただきながら、県が広域行政として公園を設置していくということはまた広域行政ならではのことではないかと思っておりますし、一方ではリース方式、またPFI等と新たな手法も生み出されているわけであります。これからのこの成熟な時代に向けてこうした観点からも検討いただきながら、新たな整備手法、新たな整備のプロセスを考えていくということが必要なことではないかと思います。
 要望をさせていただきながら、ご回答、そしてまたご清聴に心からお礼を申し上げまして、質問を終わらさせていただきたいと思います。